先日、国語の時間に、いわゆる「一文交代読み」を行った。その姿が、実に『学び合い』だなあと思った。
子供たちの中には、当たり前だけれど音読の苦手な子もいる。しかも、新しい単元に入って初めての音読である。つっかかってしまう子がいて当然だ。でも、すぐに近くの子が立って、読むところを指でなぞってあげていた。また、自分がどこを読むか分からなくなってしまった子にも、
「ここだよ」
とそっと教えてあげたり、ページを開いてあげたり、自分の教科書を見せてあげたり。もちろん、私は「こうしなさい」という具体的な指示はしていない。でも、子供たちがこういう行動をしてくれる理由は、予想がつく。
例えば、音読をしていてつっかかってしまった子がいても、私は叱らずに励ますようにしている。また、どこを読めばいいか分からなくなってしまった子に「ちゃんと聞いていなさい!」とは言わないようにしている。「聞くのも勉強だからがんばってー」と言いつつ、どこを読むか教える。自分の教科書を見せるのも、私がよくやることだ。
これらの私の行動が、少なからず、子供たちの行動に影響を及ぼしているだろう。もちろん、家庭とか友達同士の影響力も大きいと感じるけれど。
子供たちが助け合うのを、止めるタイプの先生もいる。「まさか!」と感じる人もいるかな。けれど、こんな言葉は、今までに勤めたどの学校でも聞いた。あなたも聞いたことないだろうか。
「○○さん、人のことはいいから、自分のことをやりなさい」
この言葉を使う人が駄目だと言いたいわけじゃない。こういう言葉で、子供たちは教員の意図を掴んでいくのではないか、という話である。