『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

単元内での繰り返し その2

体調がイマイチな中で書いているこの話。うまくまとまっていない面もありますが、書き溜めているものではなく、その時々に考えながら書いているので(ある意味、これが下書きのようなものです)、ご容赦くださいね。

 

「単元内での繰り返し」は、『学び合い』に出会う少し前から現在まで10年以上考え続けています。その中で上手くいく時と上手くいかない時の違いが少しずつ見えてきました。

上手くいくというのは、繰り返す中で児童の力が高まっていくのが目に見える時です。それは、学習成果のレベルアップと主体的な学習態度として現れます。一方、上手くいかないというのは、繰り返しても高まっていかない時です。児童は飽き、手抜きが目につきます。

それは、「どんな授業レベルで繰り返しているのか」の違いです。

この話が難しいのは、“レベル”というものを私が上手く説明できないからです。例えば、国語。単元の中で「音読」という活動を繰り返しても、上手くいく場合と上手くいかない場合があります。

上手くいかないのは、「音読すること」自体が目的になっている場合です。私はこれを「活動レベルの授業」と呼んでいます。音読によって児童が何を身につけ、何を得るのかを考えず、とりあえず「毎時間、読みなさい」というだけ。これだと、最初から上手い子は上手に音読するけれど、読めない子は読めないまま。だって、読めない子は「読みなさい」と言われても読めてないから。徐々に児童は飽きてきます。読まされているだけですからね。

上手くいくのは、「何のために音読するのか」という目標がちゃんと設定できている時。例えば「今回の音読は、登場人物の心情の変化を表現できるように読むことが目標!」というに。目標があるから評価もできます。「驚いたように読めたね」「声の大きさを変えられたね」というように。また、アドバイスもできます。「声を変えるのが難しかったら、スピードを変えてごらん」「表情を変えると、声も変わるんだよ」などなど。児童同士も教え合えるでしょう。それによって、「音読の上達」という成果が生まれます。私はこれを「目標レベルの授業」と呼んでいます。ちゃんと目標を定めて授業を考えられるようにならないと、単元の中でも繰り返しを生み出せないでしょう。

 

ちょっとお休み

来週の土日(20日、21日)に、福島市の某所でクローズドの学習会を開催します。いじめ問題に関する学習会です。今夜はその準備に時間を使うため、今日はちょっと連載(?)はお休みします。

昨年は1年間、地元の仲間と「いじめ」をテーマに学習会を行ってきました。その集大成としての会です。良い会にしたいなあ。

単元内での繰り返し その1

最初は「一単位時間の中での繰り返し」しか意識できていなかった私ですが、「単元の中でも繰り返し学習する方が、子供達の力が高まるのだな」と学んだのが30歳の頃です。まだ『学び合い』に出会う前。授業がめちゃくちゃ上手い「師匠」との出会いがきっかけでした。
最初に意識したのは、算数でした。小数のわり算の単元だったと記憶しています。授業の中で必ず「次時の学習のヒントになるやり方を紹介する」ように意識していました。10年も前なので詳細は忘れてしまいました。手元に6年生の教科書があれば、もっと詳しく書けるんですけれど。

他にもよくやったのは、国語の「物語文」の授業です。こんな流れで授業を組み立てていました。

  • 1と2の場面では、「登場人物の行動から心情を読み取り、それを表にまとめる」学習に学級全体で取り組む。
  • 3の場面では、班で相談しながら表にまとめる。
  • 4の場面では個人で読み取り、表にまとめる。

これはまさに「変化のある繰り返し」ですね。何度も繰り返し「登場人物の行動から心情を読み取り、それを表にまとめる」学習に取り組みつつ、内容は、全体→グループ→個人とレベルアップさせました。

国語なら、話すこと・聞くことの単元でも「繰り返し」を意識していました。教科書に示されている単元の流れは、しっかり準備をして、発表をするのも、話し合うのも一度だけ、というものがほぼ100%でしょう。それじゃあ子供達は上達しません。何度も発表したり、話し合ったりできるように、発表の場合は相手を変えて、話し合いの場合は役割分担や題材を変えて、繰り返し活動できるようにしました。


こうした「繰り返し」の授業は、上手くいくときもあれば、そうではないときもありました。では、その違いはどこから生まれるのでしょうか。