『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

努力に報いたい

『学び合い』を始めたばかりの4月。多くの学級において「関われるようになること」が目標となっていたでしょう。ブログやFacebookを見ると、同様に考えている方が少なくないようです。ある程度敷居なく関われるようになるには、経験上、1か月から3か月程度はかかります。もちろん、もっとかかる子も沢山いますが。(かかる子は1年でも難しい。多分、中学生や高校生なら一生モノの目標となっている子もいるでしょう)

この時期に使われる「お助け方法」に「氏名マグネット」があります。黒板に氏名が書かれたマグネットを貼って、課題が出来たら「OK」の場所に貼り替える、という有名な方法です。私も最初は使います。子供達が関われるようになるきっかけ作りに有効だからです。

 

でも、しばらく経つと不要になります。

学級の調子が良ければ、マグネットなんて関係なく分からない子に声を掛けます。調子が悪ければ、マグネットを見て見ぬ振りをします。マグネットを貼ってる意味がないですよね?私は子供達に聞きます。

「マグネット、いる?」

と。もし、何人かが

「いる!」

と言うなら、

「じゃあ、ちゃんとマグネットを見ようよ、分かってない人が残されているよ」

と求めます。もし、何人かが

「いらない」

と言うなら、

「じゃあ、ちゃんと周囲を見ようよ、マグネットがなくても」

と求めます。どちらにせよ、マグネットがなくても周囲を見る学級へと育てなくてはならないのです。

 

ただ、周囲を見る、というのは簡単なことではありません。子供達にとっては大変です。苦労します。ですから、私は担任として、その苦労に報いたい。でも、どうやって?

これが企業なら給料に反映させればいい。でも、学校では無理です。じゃあ、何か。そこを考えるのが担任の工夫だと思っています。

 

つづく

夢を語る

私も2学期は授業の形をちょっと変えようと思っています。
本格的にカリマネに取り組む予定だからです。もちろん、1学期にもある程度は書いていたんですが、さらに書いていきます。


こんな風に授業の形を変える時には、しっかりとその意図とメリットを語ることを大切にしています。私は特にメリットを強調します。児童に説明する時、「意図を伝える」というのは度々聞きます。が、「メリットを伝える」というのはあまり聞きません。でも、メリットがなきゃ人は動かないのではないでしょうか。ただし、針小棒大になったら、子供たちをがっかりさせてしまいそう。ここはちょっと気を使うところです。

じゃあ、メリットって具体的にどんなことでしょう。私は」「夢」だと感じています。夢のようなことがかなう。そのドキドキ感、ワクワク感が子供達を動かすのです。2学期の最初に私が語るのは、「日本一になろう!」の予定です。「この勉強をしたら、めちゃくちゃ賢くなれるよ。日本一になれるかもよ!なろうぜー!めちゃくちゃ楽しいよ!」と笑顔で求めます。

中には

「そんな夢みたいなこと、言えないよ」

という方もいらっしゃるでしょう。それは仕方ない。でも、ちょっと考えてみてください。学級全員が幸せな生涯を生きることも「夢みたいなこと」じゃないですか?現実的に考えたら、不幸な人生を送る子もいそうですよね。

私は、全員が幸せになって欲しい。そんな夢みたいなことを本気で願っています。だから、日本一のクラスになる、という夢みたいなことも、本気で求めるのです

 

 

2学期の『学び合い』

夏休みも後半に入りました。

 

1学期の終わり頃、ちょっと『学び合い』が停滞してきた方も少なくないと思います。「一人も見捨てない」をちゃんと求めているつもりだし、課題もちゃんと準備しているつもりだし、子供達だって「『学び合い』は楽しい」と言っているし。だから、悪くはないつもりなんだけれど、でも、何だかモヤモヤする。子供達が本気で学んでいない気がする。

そういう学級、少なくないでしょうね。そうなる理由は、私は「トップランナーが燃えていないから」だと思っています。トップランナーとは、その教科や授業で相対的に多く「教える立場」に立つ子たちのことです。
私がかつて犯した失敗は、学期末の「店じまい」みたいな学習が続いてしまって、全然クリエイティブじゃない授業ばっかりやってしまったこと。ドリルを終わらせるとか、復習問題ばっかりとか。そういう学習が続いて、トップランナーがつまらなそうに勉強していて、苦手な子は「ドリル終わらねー」っていやいややっていて、学級全体が楽しく学べなくなってしまいました。あー、今年もそうなってたなあ、と今更ながら反省。
『学び合い』は、「課題を解決しようとする時、人間は本能的に学び合う」ことを利用して授業を行います(と私は解釈しています)。ですから、トップランナーにとって学びがいのある課題じゃないと(つまり、最初から分かっているような課題だと)、学び合いが発生しないのです。

また、集団の関係性が豊かになってきたにも関わらず、いつまでも「3人以上に説明できる」という課題にしていても、トップランナーは燃えないでしょうね。だって、3分くらいで説明が終わっちゃう子もいるでしょうから。「まだ終わっていない人がいるぞ!」と言って無理やり学び合わせようとすると、トップランナーはどんどん冷めていくでしょうね。少なくとも、私が子供だったら冷めるな。

 

ということで、私が取り組んでいるのが「単元『学び合い』」なのです。自分のペースで進む『学び合い』。それによって、トップランナーがどんどん進めるようにします。また、「学びのカリキュラム・マネジメント」によって、学習の質を上げていきます。

1学期の終盤に、なんだかモヤモヤした方は、2学期には子供達にとって学びがいのある授業になるように今のうちから準備をしておいて欲しいなと思います。トップランナーが燃えるように。

もちろん、いろんな「やり方」があるでしょう。いろんなやり方があった方がいいと思います。せっかく『学び合い』が広まってきたのですから、「子供達にとって学びがいのある授業」についてもっと情報交換が進めばいいなと思っています。