『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

単元内の繰り返し その4

その3で書いたように単元内で何度か繰り返すことで、課題のレベルを上げつつ、全員達成を目指す授業を行うことができます。が、繰り返すとは言っても単純に「同じ課題を一単元で何度もやらせる」わけではないのです。
同じ活動を何度も繰り返しては、児童は飽きてしまいます。変化が必要なのです。

 

単元で変化のある繰り返しを行うには、学習指導要領でいうところの「指導事項」についてとらえておく必要があるでしょう。

 

今日は日本酒を飲んでしまったので、ここまでにします(笑)

単元内での繰り返し その3

『学び合い』において、単元内での繰り返しがもたらす効果はいくつもあります。

 

まず一つ目は「誰も分かっていないこと、出来ないことを課題にできる」こと。1単位時間毎に新たな課題を設定する『学び合い』の場合は、基本的に「学級の2割の子が分かっていること、出来ていること」を課題として設定します。『学び合い』の初期段階では「得意な子が15分程度で終わる課題をだす」なんて目安もあるくらい。分かっている2割の子が課題を15分くらいで終わらせ、残りの時間は他の子に教える、それが「繰り返しのない」『学び合い』授業の基本的な型と言えるかも。これだと残念ながら、「教えてばっかりで自分が学んでいる気がしない」という子も少なくないでしょうね。昨年、Twitterでそういう不満を伺いました。

それを避けるために、誰も分からない課題を設定したとしたら、その学習が得意な子が45分間一生懸命学んでいる一方、他の子は「分からん」「無理…」とあきらめる、そんな授業になってしまう可能性が高いでしょう。

 

しかし、単元内で繰り返す授業なら、得意な子も直ぐには出来ない課題を設定したとしても、授業が成り立ちます。最初の1時間目は、分かる子も分からない子もいて良いのです。「またやるんだから、次頑張れよ」と言えるのです。

 

単元内での繰り返し その2

体調がイマイチな中で書いているこの話。うまくまとまっていない面もありますが、書き溜めているものではなく、その時々に考えながら書いているので(ある意味、これが下書きのようなものです)、ご容赦くださいね。

 

「単元内での繰り返し」は、『学び合い』に出会う少し前から現在まで10年以上考え続けています。その中で上手くいく時と上手くいかない時の違いが少しずつ見えてきました。

上手くいくというのは、繰り返す中で児童の力が高まっていくのが目に見える時です。それは、学習成果のレベルアップと主体的な学習態度として現れます。一方、上手くいかないというのは、繰り返しても高まっていかない時です。児童は飽き、手抜きが目につきます。

それは、「どんな授業レベルで繰り返しているのか」の違いです。

この話が難しいのは、“レベル”というものを私が上手く説明できないからです。例えば、国語。単元の中で「音読」という活動を繰り返しても、上手くいく場合と上手くいかない場合があります。

上手くいかないのは、「音読すること」自体が目的になっている場合です。私はこれを「活動レベルの授業」と呼んでいます。音読によって児童が何を身につけ、何を得るのかを考えず、とりあえず「毎時間、読みなさい」というだけ。これだと、最初から上手い子は上手に音読するけれど、読めない子は読めないまま。だって、読めない子は「読みなさい」と言われても読めてないから。徐々に児童は飽きてきます。読まされているだけですからね。

上手くいくのは、「何のために音読するのか」という目標がちゃんと設定できている時。例えば「今回の音読は、登場人物の心情の変化を表現できるように読むことが目標!」というに。目標があるから評価もできます。「驚いたように読めたね」「声の大きさを変えられたね」というように。また、アドバイスもできます。「声を変えるのが難しかったら、スピードを変えてごらん」「表情を変えると、声も変わるんだよ」などなど。児童同士も教え合えるでしょう。それによって、「音読の上達」という成果が生まれます。私はこれを「目標レベルの授業」と呼んでいます。ちゃんと目標を定めて授業を考えられるようにならないと、単元の中でも繰り返しを生み出せないでしょう。