第5段階 近い点をつなぐ=カリキュラム・マネジメント
年間レベルで授業のつながりを考える時、難しさの原因となるのは「時間的な距離」です。1学期の学習と2学期の学習を繋げる、5年生の学習と6年生の学習を繋げる、というのは理屈の上では納得簡単かもしれませんが、けれど、実際にやるとなると難しさが分かるでしょう。
何か月も何年も離れている学習なんですから、忘れちゃっている子供は大勢いますもんね。
だったら、「近いもの」を繋げる方が楽です。
例えば、国語と社会。例えば、算数と理科。
昨日学習した国語の内容を、今日の社会で使う。
3時間目に学習した算数の内容を、4時間目の社会で使う。
これだったら、忘れてしまっている子は少ないでしょう(ゼロじゃないけれど)。
その上、短いスパンで繰り返し学習するのですから、定着率も上がるってもんです。
でもね、国語と社会を繋ぐって言われても、どこをどう繋げばいいのか分かりませんよね。その繋ぎ方をまとめたのが、この本。
子どもの書く力が飛躍的に伸びる! 学びのカリキュラム・マネジメント
- 作者: 坂内智之,高橋尚幸,古田直之
- 出版社/メーカー: 学事出版
- 発売日: 2016/08/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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みゆき会の3人で書いた「子どもの書く力が飛躍的に伸びる!学びのカリキュラム・マネジメント」です。
カリキュラム・マネジメントって、ちょっと耳慣れない言葉ですね。
文部科学省では、こう言ってます。
ここに書いてある
- これからの時代に求められる資質・能力を育むためには、各教科等の学習とともに、教科横断的な視点で学習を成り立たせていくことが課題となる。そのため、各教科等における学習の充実はもとより、教科等間のつながりを捉えた学習を進める観点から、教科等間の内容事項について、相互の関連付けや横断を図る手立てや体制を整える必要がある。
の「相互の関連付けや横断を図る手立て」の部分なんて、まさにこの本で書いていることですね。
私が恐れているのは、「教科の横断=表の作成」になってしまうこと。道徳の「別葉」ってありますよね?あんな感じで「表にまとめたので、関連付けが終わりました!」となってしまっては、授業が改善されることなく終わってしまいかねません。この方策をまとめた文部科学省のみなさんも、この本を読んでくれないかなー。
まあ、文科省さんが読んでくれなくても仕方ないのですが、このブログを読んでくれている奇特な皆様にお手にとって頂ければ幸いです。みゆき会の3人と編集さんと漫画家さんで、心を込めて作った本です。宜しくお願い致します。