『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

『学び合い』を続けるために、「教えるのは成績上位2割」という固定観念を捨てませんか

『学び合い』によって学級が動いていく様子について、「2・6・2の法則」というものを使って説明されることがよくあります。例えば、「成績上位の2割が積極的に教え、中間層の6割がそれなりに教え、それによって残りの2割も学習できる」というように。ものすごく単純に言えば、そうです。実際の学級でも、まあ、だいたいはそうなのです。

でも、ちょっとだけ違うのです。
というのは、積極的に教える2割が、成績上位とは限らないのです。成績は上位だけれど、あまり教えられない子もいます。逆に、成績は中位だけれど、どんどん教える子もいるのです。

私が以前担任したクラスで、「この子が存在するから、集団が上手く機能しているんだなあ」と感じるキーパーソンがいました。まだ手探りで『学び合い』による授業を行っていた時期を乗り越えられたのは、その子のおかげです。その子はめちゃくちゃ教えまくる子でした。一人の子がいると飛んでいきます。分からない子がいるとすぐに教えに行きます。周囲の子からも信頼されていました。
でも、その子は成績としては真ん中くらい。決して「上位2割」ではありませんでした。

その子は本当に大活躍。真ん中くらいの成績ということは、その子は学級の半数の子を教えることができるんです。教える相手は山ほどいます。

教えまくった結果、その子は仲間から絶大な信頼を得ていました。そして、その後、徐々にその子の成績も向上していきました。ただ、トップまで届きませんでしたでしたけれど。

 

『学び合い』が上手くいかない、継続できない理由として「成績上位2割が動いてくれない」という声を聞くことがあります。でも、ちょっとまってください。成績上位2割だけが「動く人」でしょうか。成績上位2割しか教えちゃいけないのでしょうか。
そうではありません。成績の良い子は人と関わることが相対的に得意な場合が多いので、『学び合い』の初期では、そういう子が教え手になる可能性が高いというだけです。

「成績上位2割が教える」という固定概念を持っていると、目が曇り一生懸命に教えている子がいても見逃しているかもしれません。それどころか、他の子が教えることを阻みます。なんて言うのは、私自身がそういう経験があるからです。

逆に、「教え手は、成績上位2割とは限らない」と思っていると、意外な子が動いているのが見えます。前述の「キーパーソン」みたいな子は稀です。私の経験上、前年度までは「おとなしい」と評されていたような子が、良い動きをするんですよね。そういう子は「成績上位2割」ではない場合が多いんです。でも、その後、徐々に伸びていきます。

 

『学び合い』を続けるために、「教えるのは成績上位2割」という固定観念を捨てませんか。きっと、意外な子が動いてくれますよ。