『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

誘導する

昨日のエントリーに関わる話ですが、私は子供達を強く「誘導」している自覚があります。私の価値観に子供達を染めている自覚があります。

と言っても、学級全体を染められるわけがありません。それを目指してもいません。それは無理だと考えています。でも、2割の児童が染まってくれれば、学級全体としては、私の価値観に沿って動いてくれるのです。

 

これは『学び合い』に限った話ではないでしょう。一定の腕のある管理者なら行なっている方法だと思います。学校を見回しても、少なくない教員が「自分の価値観を理解している2割程度の児童を生かして、学級全体を動かす」という手法で学級を経営していると感じます。

じゃあ、『学び合い』の特徴はどこにあるのでしょうか

私は、第一に「一人も見捨てないことは、自分にとって得なのだ」という価値観を示すこと、第二に「そのための方法は児童に任せる」ということにあると思っています。この二つを外したら、『学び合い』は成り立ちません。

人間が本能的に守る「集団」はせいぜい5人程度らしいです。ということは、私が黙っていたら子供達は「学級全体を一人も見捨てない」とは考えず、数人のグループを作るでしょう。ですから、「学級の仲間を一人も見捨ててはいけないよ。それは損なことだよ。仲間を助ける集団の方が得だよ」というように語って聞かせることはとっても大切にです。

ただ、じゃあ見捨てないってどういうことよ!?と考えると非常に難しい!難しいどころか、答えはないのです。人間のニーズは千差万別。その上、時と場合によるのですから。どんな行動をすべきか、言葉で示すことはできません。ですから、子供達に任せなければいけないのですが、でも、それは放っておくことではありません。子供達が見捨てない行動をすれば

「今の、いいね〜」

と喜び、子供達が見捨ててしまった時は

「今のは、まずいよ」

と一緒に考えるのです。時には

「今のは許されないだろう!」

と厳しい態度も取ります。

それは、子供達は手探りで「一人も見捨てない」を探しているからです。それで良いんだ!と認めてあげることは、子供達に自信を与えます。それで良いのか?と一緒に考えることは、子供達が考えるきっかけになります。それが、『学び合い』における評価(の一つ)だと思っています。

 

こういったことを繰り返しながら、私は集団を誘導しています。はっきり言って、上手くいかないことの方が多いのです。そりゃそうです。人を動かすのですから、思い通りにならないのは当たり前です。

誘導している、という自覚があるからこそ、焦らずやろうと自分に言い聞かせています。きっと2学期も思うように動いてくれない集団に、それでも「見捨てると損だよ。より多くの繋がりを持っている人が得だよ」と伝え、評価していくことでしょう。