『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

教科書で色んな解き方に触れる

私が若い頃、『学び合い』に出会う前に行っていた算数の授業は、多くはこんな流れでした。

  1. 問題の提示をする。
  2. そこから課題を立てる。
  3. どうやったら課題を解決できるか予想する。
  4. 自力解決
  5. それぞれの解き方を発表する。
  6. 発表された解き方の中から、自分が良いと思う解き方を選ぶ。
  7. 練習問題を解く。
  8. 問題を解きながら、自分が選んだ解き方が本当に良いかどうかを確かめる。場合によっては、違う解き方を試す。

この授業は、まあまあ上手く「流れて」いたと思います。(もちろん、完成なんてことはなくて、日々試行錯誤は続けていましたけれど。)

今では、この授業の大きな弱点が分かります。それは、上記の「5番と6番」です。当時は数名の児童が発表をすれば、それで様々な考えに触れたことになると思っていました。その上で自分が良いと思う時からを選ぶことが可能だとも思っていました。
けれど、『学び合い』に出会った今では、そうは思えません。なぜなら、「他者の考え」を理解するためには、ものすごく多くの時間と会話が必要だというのを、『学び合い』による授業の中で何度も見たからです。

特に、教科書のかかれている「図」を理解するのは、めちゃくちゃ時間がかかります。算数の教科書のは、アレイ図や線分図、数直線、面積図など色々な図等がでてきますが、多くの子はこれが分からない!一人や二人がちょこちょこと発表するのを聞いても理解できないのです。以前、ある図について理解できるまで、15分以上説明をしている姿を見たことがあります。説明している方も聞いている方も、頭から湯気が出るんじゃないかというほど真剣でした。そんな説明を続けて、やっと「ああ、分かったかも!」となるのです。「かも」ですよ、それでも。

その上、「自分が良いと思う解き方を選ぶ」と言っても、多くの子が「自分が考えた解き方が良い」と思っているのです。でも、実際の授業では7番や8番の時間に、私が「こっちの方がいいでしょう!?」と半ば無理やり変えさせていました。むしろ、変えることが私の仕事だと思っていましたから。
もちろん、発表を通して豊かな交流を生み出している方も大勢いらっしゃることでしょう。でも、私にはできませんでした。

だったら、教科書に書かれている「あきらくん」や「ゆみさん」の解き方についてじっくり考えさせる方が、色々な解き方に触れられるんじゃないか。そう考えて、今は「教科書にのっている3つの解き方を説明できる。」なんて課題を出しています。