『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

「約束したのに。」そう言って君は憤った。

二人の女の子が何やら険しい表情で佇んでいる。
勉強が手に付かない雰囲気。AさんもBさんも、いつもはもりもり学んでいるのに。
「調子悪そうに見るけど」
と声を掛ける。最初は「大丈夫です」という返事だったけれど、やっぱり進んでいない。休み時間なら深追いしないが、今は授業中。なので、もう一度声をかける。
すると、Aさんが少しずつ話し始めてくれた。その声にはわずかだけれどはっきりと怒気が籠っており、だんだんと話が止まらなくなっていった。

要点だけまとめると。
AさんはBさんと休日にとある約束をした。でも、Bさんのちょっとした勘違いがあって、その約束はキャンセル。Aさんは納得がいかない。Bさんは申し訳なく感じているけれど、でも、その日は…。
そんなお話だった。

私は、こう語りかけた。

そうか。Aさんはがっかりしているんだね。楽しみにしていた約束だったんだね。残念だったね。でもさ、「がっかりする」というのはマイナスなだけじゃなくて、プラスの面も持っているんじゃないかな。がっかりした気持ちは、Bさんのことが好きな証拠だよ。Bさんと過ごす時間がそれだけ楽しみだったってことだよ。
もし、マイナスの面にだけ心を奪われて、プラスの気持ちを忘れてしまっているんだとしたら、それはもったいないし、それは幼い、赤ちゃんぽいってことだよ。がっかりしたからと怒ってしまうのは、もっと小さい子のすること。そうじゃなくて、プラスの気持ちにもちゃんと光を当てて「じゃあ、また今度」とか「その代わり、ああしよう」って考えられるのが、心が成長するってことなんじゃないかな。
少なくとも「がっかり」と「怒り」をつなげてしまうのは、もったいないと私は思うよ。

 

少しきれいにまとめ過ぎだが、まあ、こんな話をした。
私の話を聞きながら、Aさんは雨のち晴れとなった。BさんはそんなAさんにティッシュペーパーを差し出した。
私は話の長さを反省しつつ、二人の優しさと素直さが眩しかった。