『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

声を聞く

とんたんさんも以前から言っていますが,教師にとって「耳」はとても大切だなあと思います。子供達の声のトーンで,学級の状況がある程度つかめるからです。


「キャー」とか「ギャー」といった甲高い声が聞こえてきたら,その学級は「警戒している」状態かなあと,わたしは考えます。
子供同士が,お互いを探り合っているような。形だけの友達関係がはびこっているような。
そんな状態です。
教師の影響力が及ばないところで,子供同士はちょっとした緊張関係を抱えて生活しています。
日本猿も,敵が近づいてきたら,甲高い警戒音を出します。(「クヮン」と表現されることが多いようです)甲高い声は,警戒の声なのです。
子供達は安心を求めています。
そんな声が聞こえたら
「うるさい!」「静かに!」
と言う前に,
「どうしたの?何があったの?」
と聞いてあげるようにしています。


これよりもっと深刻なのは,「アー」とか「オー」といったちょっと低めの唸り声が聞こえてくる学級です。
これは「威嚇」の声です。猿も敵を威嚇する時には,こういった声を出します。
「やられたら,やり返す」「やらなきゃ,やられる」そういう状態です。
周囲を威嚇する子は,自分が攻撃されそうだという不安を抱えています。不安だから,威嚇するのです。不安なのは,攻撃された経験があったり,攻撃された級友を目撃したりしているからです。
こうなってくると,もう一度安心感を取り戻すのはなかなか大変です。
そんな声を出している子を見かけたら,
「大丈夫?」「来るのが遅くなってごめんな」「俺は味方になるよ」
そんな風に声をかけるようにしています。


これは,わたしの言語に関する浅い知識と教師経験を無理やり結びつけただけですが,でも,そんなに外れてはいないと思っています。


声のトーンを聞けば,学級の様子が目に浮かぶのです。
声のトーンを聞いているだけで,良い学級だなあと幸せになったり,このクラスは大丈夫だろうかと苦しくなったりします。


ウチの子供達は,こういうことがよく分かっています。
こういった警戒音や威嚇音を「猿声」と呼んでいます。
自分達のクラスに,ちょっとでも猿声が響いたら,敏感に感じ取ります。(感じ取る子がいます)
だから,崩れる前に修復ができるのです。


調子の良い時の声は,本当に心地よい響きです。
残念ながら,今日はホンノちょっとだけ声のトーンが高めでした。振り返りジャーナルを読むと「ちょっと調子が悪かった」という子が大多数でした。(絶好調でしたよ!という子もいましたが。)
ちゃんと分かっている子達なので,きっと明日は調子を上げてくるでしょう。


若い先生方には,子供達を理解しようとあれもこれもとやる前に,一度,子供達の声のトーンを感じ取ってもらいたいなあと思います。