仕事を頼まれること、頼むこと
学校には「誰の仕事かはっきりしているもの」と「誰の仕事でもないもの」があると思っている。
誰の仕事かはっきりしているものは、その人が責任を持ってやるべきだろう。分掌というものがあるのだから、与えられた仕事に責任を持つのが基本。けれど、その仕事を一人でやれない時には、他者に頼ってもよいと思う。むしろ、人に頼ったり教わったりしてでもやり遂げるのが、責任を果たすということではないか。
そんな時に、私を頼ってくれる同僚がいると、私は非常に嬉しい。多くの同僚の中で、私を選択してくれたことをありがたく感じる。
また、誰の仕事でもないものは、自分から率先して取り組むようにしている。担任を持っていないので、今年は特にそうだ。また、そういう仕事を
「あなたの仕事ではないけれど、お願いしていいですか」
と頼まれることもある。これまた非常に嬉しい。多くの同僚の中で、私に頼んでもらえたのとを名誉に感じる。まあ、暇そうだから頼んだだけかもしれないが。
仕事を頼まれるのは、本当にありがたいことなのだ。頼まれれば頼まれるほど「貯金」がたまっていく。聖人君子ではない私は、見返りをちょっとだけ期待する。いつか私が辛い時に、十人に一人くらいは助けてくれるだろう。見返りなんて、その程度の割合で十分である。
そう言えば、昔々、まだ20代の頃、嫌いな先輩と組んである活動をした時に、こんなことがあった。
その人は「大変な仕事」と「楽な仕事」の2つの仕事を提示して、私にこう聞いた。
「仕事を分担してやろう。お前は、この2つの仕事のどっちをやりたい?俺はどっちでもいいけど」
私は少し頭にきて「楽な仕事」を選んだ。その人はその場では何も言わなかったが、後で怒っていた。まあ、そういう人だから嫌いだったのだけど。
そんなことをされず、、
「こっちの大変な仕事をやってくれ」
と頼まれたら、断りはしなかっただろう。たとえ相手が嫌いな人でもね。
私は、そんな試されるようなやり方よりも、しっかりと頼まれたい。だから、私が仕事をお願いする時には、「お願いします」と頭を下げる。そして、終わったら「ありがとうございます」と伝える。そして、その恩はちゃんと返す。
相手が大人でも、子どもでも、そう心がけている。