『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

今のわたしの授業

最初にお伝えしておきますが、これから書くのは、高橋の授業についてです。
みゆき会(坂内さん・古田さん・高橋)ならびに学び続ける子どもの会では、インタラクティブ・カリキュラムという共通の考え方で授業を行っていますが、でも、それをどう具体化するかは各自のスタイルで決めています。
ですので、これから書くのは、あくまでわたしの授業であり、みゆき会並びに学び続ける子どもの会としての授業ではありません。わたし達は、緩やかに繋がっている会なのです。
でも、大枠では、似てると思いますけどね。


では、わたしの現在の授業は、こんな感じです。
なるべく、具体的に書こうと思います。


1月に国語科で「ふるさとの良さをしょうかいしよう」という学習を行いました。これは、自分の郷里の伝統や特産品について調べ、その良さを具体的に紹介する作文を書く学習です。
今までに、グラフや写真を用いて書く方法は学習済みです。この単元では、より詳しいデータや資料を用いて書くために「文章本体」と「資料ページ」を分けて書く方法を学びます。(と、わたしは、教科書の意図を読み取りました。)
わたしの学級では、教科書通り、地元の伝統行事や風土、特産物などについて調べ、地域の良さについての作文と、それを補完する資料を作成しました。


でも、資料ページを使った書き方なんて初めてです。なかなか上手に書けません。もちろん、書ける子も多数います。(このクラスは書きなれていますからね!)でも、難しい子もいます。
今までの授業では、そういう子が出ないように、教師があれこれと手を加えました。テクニックを駆使するわけです。
また、「ナンデチャントタスケナインダ!ミンナガデキテイナイダロウ!!!!」と子供達に責任を押し付けてしまった大失敗の経験も。


でも、そんなことでは子供達の力は伸びません。
どうすれば良いか。
わたしの出した結論は、「もういっちょ!」です。


国語科でたった1回書くだけでは、資料を使って具体的に書くことは出来るようになりません。だったら、もう一度、同じような学習をすれば良いのです。でも、国語の時間でそれを確保するのは難しいですよね?
そこで、他教科との融合を図るのです。


わたしは、今回は社会と繋げることしました。(というか、最初からそのつもりで、国語科の学習も進めていました。)
社会科の「日本とつながりの深い国々」という単元では、アメリカ合衆国中華人民共和国大韓民国サウジアラビアの4箇国から一つを選んで調べることになっています。その調べ学習の「まとめ」を国語科で学習した「文章本体」と「資料ページ」を分けて書く方法で行うのです。
ということで、今は、自分が調べた国について文章と資料を使って書いているところです。本当は昨日完成する予定だったのですが、インフルエンザのために学年閉鎖となってしまいました。残念。完成は来週ですね。


2回書けば、1回目よりも書き方が分かる子が増えます。
1回だけの学習では、(昨日のエントリーで書いた)知識や技術なんて身に付きません。どんなに一生懸命に説明されても、身に付きません。繰り返す中で、自力で獲得するしかないのです。


しかも、自力で獲得するためには、2回程度じゃ不十分。日常的に繰り返す必要があります。


そこで、上記のような複数時間をかけて調べまとめるものの他に、30分間みんなで学んで、15分でレポートを書きあげる学習も行っています。
この場合は、特に形式は指定していません。今までの学習を活用しながら、自由に書くようにしています。
この「15分でレポートを書く」学習は、長所もあれば、短所もあります。
短所は、時間的に厳しいこと!算数科や社会科では、原稿用紙1〜2枚分のレポートを書くだけの学習を行うには、30分ではどうしても時間が足りなくなります。30分で全員がある程度終わるような課題は、あまりレベルが高くない課題です。そうなると、学び合いが緩みます。で、結果としてレポートの質も下がります。でも、課題のレベルが高すぎると、「分かっていないから書けない」という子が出てきてしまうのです。また、しっかり学習できた時にはレポートの量が原稿用紙3枚分以上になる子もでてきて、15分では書ききれない子が出てきます。時間的区切りが小さいと、そこにフィットしない子が大量に出てしまうのが、大きな短所です。(かといって、時間的な区切りが大きいと、別の難しさが顔を出すんですけれど)

長所は、テストでは見えないことが見えてくるので、テストを作りにくいような学習の質をぐぐっと上げてくれること。例えば、図工の鑑賞とか、体育の保健領域とか。図工や保健の教科書は、内容はそれほど難しいものではありませんから、短時間で調べ、書くことが可能です。その上、この手の授業では、わたしは今まで「評価しにくさ」を感じていましたが、評価もしっかりばっちりできます。評価をしっかり行えると、子供達の学び合いの質はぐぐぐっと上がりますよね。同じように、算数科や社会科でも、テストでは測りにくい学習の時には、非常に授業がやりやすくなります。(その場合は、2〜3時間で1枚、という課題の出し方をすることが増えています。)



これが、書くことを軸にした、インタラクティブ・カリキュラムの一端です。わたしは今後、「話すこと・聞くこと」のインタラクティブ化を考え中です。来年度は形にできるかな???
でも、これだけだと、国語→他教科 という一方通行の関係ですよね。
なぜこれが「インタラクティブ=双方向」なのかは、また今度、書きます。