味自慢
学級が荒れている時に、「言って分からない奴は、一発ガツンとやってやればいいんだ」と言う人が居ます。一般の方が言うなら聞こえない振りをして済ませますが、教師が言ったり思ったりしていたら「お終いだな」と思います。
例えば、人気のないラーメン屋さんが「一発ガツンと脅して、客に食べさせればいいんだ」と言うようなもんです。
不味いから客足が遠いのです。そんな事をしたら、ますますお客さんは来ません。
ラーメン屋さんの客と違い、多くの子ども達は「来ない」という選択肢がありません。どんなに「不味い」授業でも、取り敢えずは食べなくてはいけないのですから、キツいものがあります。
でも、いつかは吐き出します。
ガツンとやっても、無理です。
でもね。
万人に受ける味付けはありません。
どんなにがんばって授業を作っても、食べられない子は居るのです。絶対に居ます。
それでも、わたしのクラスの子ども達が学び続けていけるのは、子ども自身が作るからです。わたしが一人で授業を作っていたら、こうはいきません。
教師がどんなに腕を磨いても、作れないものは作れないのです。
一方で、不思議なもので、教師が味音痴では、子ども達もいい授業を作れません。
それが分かってから、ますます授業が楽しくなってきました。
「ガツンとやればいい。」
なんて言う人には絶対に味わえない楽しさです。自慢です。